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緑 de つながる通信_メンバー発信、あれこれ♡ 5

宮城県南三陸町志津川小学校グラウンド応急仮設住宅訪問(全4回)

※写真をクリックすると拡大します


活動日時:2012年10月8日(日)
活動場所: 宮城県南三陸町志津川小学校グラウンド応急仮設住宅

■初回 5月27日(日)
このプロジェクトで、私の初仕事となったのは、ここ志津川小学校グランド応急仮設の支援活動でした。
主な作業内容は2つ。
1)プランターに花苗を植えて、仮設住宅の横や路地に設置する。
2)志津川湾を眺望する丘に、ヒマワリの種とコスモスの苗を植える。
まずは、前日に宿泊した気仙沼で花苗、土、プランターなどを大量に購入し、車で運び込みました。
仮設から作業に参加してくれたのは、総勢15名ほどの男女。
女性陣は自らを『フラワーガールズ』、ダンナさんたちを『フラワーボーイズ』と呼んでいます。
常に笑い声が絶えない、元気なガールズが楽しそうに作業する傍らで、無口で真面目なボーイズも黙々と作業していました。

「同じ種類の色違いで揃えたいよね」
女性ならではの美的感覚でプランターに植えられた花は、仮設住宅の横や路地に設置されました。(写真:彩りよく植えられたプランター)

今回初めて被災地を訪れ、被災した方々に何と声をかけて良いか戸惑っている私に、志津川湾を眺望
するこの丘に花を植えるのには、様々な想いがあるということを教えてくれました。

ある人は、「ここから見えるところで亡くなった人や行方不明の人に、丘の上から『ここだよー』と知らせたい」と、ヒマワリの種を蒔く度に、海に向かって手を振っていました。またある人は、「ここにヒマワリやコスモスがキレイに咲いたら、この景色が少しでも隠れるでしょう!? 私はそのほうがえぇな。私らは海で育ってきたから海は好きだけども・・・」と、話してくれました。 (写真:志津川湾を見下ろせる丘で)

作業を終えたフラワーガールズ。オレンジ色のシャツはリーダーのKさん。 (写真:全員で記念撮影)



■第2回目 7月21日(土)(見学とアドバイス)
5月に植えた花がどうなっているのか、ずっと気になっていたので、近くに行った際に、Kさんを訪ねてみました。
いくつかのコスモスは咲き始めていました。
しかし、それぞれの願いを込めて蒔いたヒマワリは、芽が出て少し育ったときに、半分くらいがダメになってしまったということを、Kさんから聞きました。
(よくわかっていない人が、草刈りの準備でタイヤを移動した際に、気付かずに引きずってしまったそうです。大変残念なことです。Kさんや関係者の哀しみは計りしれない。) (写真:コスモスの状態) 路地に設置したプランターの花の多くは弱っている状態でした。
この夏の猛暑の中、路地には日陰がなく、水やりも十分ではなかったようです。
(そもそも設置場所に無理があったのか...)
園芸の知識の無い私はその場でどうすることもできず、後日プロジェクト内で報告したところ、多くのメンバーから様々なアドバイスを得ることができました。
自分の無知と仲間の有難さを痛感しました。
ガールズは高齢の方が多いので、負担にならない対処法だけをピックアップして、手紙で伝えました。


■第3回目 8月19日(日)
Kさんが嬉しそうに「ヒマワリが咲きましたよ!」と教えてくれたので、見に行きました。本数も少ないし、あまり大きくならない品種だったので、浜の景色を隠すことはできませんが、困難を乗り越えて、よくぞ立派に育ちました。
ただし、残念ながら、コスモスは1本だけ残して枯れてしまいました。 (写真:立派に咲いたヒマワリ)


■第4回目 9月25日(火)
今回は、別件で近くに来たついでに、何気なく立ち寄ってみたらビックリ!!
全滅したと思っていたコスモスが、私の背丈程まで育ち、浜に向かって一斉に咲き誇っているではないですか。

もう枯れてしまったヒマワリの代わりに、コスモスがフラワーガールズ達の願いを叶えてくれるなんて、やはり植物にも心や感情があるのだと感じました。
思わぬサプライズに、長距離ドライブの疲れと眠気も吹っ飛びましたが、早朝7時、誰もいない丘でひとり、この喜びをどう処理して良いかわからず...。

後で、フラワーガールズのKさんも、「見ました?コスモスが育ったんですよ-」と得意げで、すごく嬉しそうでした。 (写真:奇跡的に咲いたコスモス)

この最高の贈り物は、ガールズたちが手間をかけて育ててくれた結果です。このような小さな ”できごと” が他の場所でも起きてほしいと思います。

(記事&写真: 弓野淑男)
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