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緑 de つながる通信_メンバー発信、あれこれ♡1-8

「汎花(ハンナ) 日々雑感」(第8回)

Kおじさんの紫陽花
ボランティア・ガーデナー 松原 咲子

10年前に花壇を引き受けて以降、荒れ野のような高架下で、枯れ木を引き抜き、つるはしで耕し、レンガや御影石でコツコツ造園してくれたKおじさん(当時74歳)は、元 J R エンジニア。キチンとした性格が今も見事な造園技術の結果として、汎花の全ての場所に残されています。

当時ガーデナーとして未熟だった私は、次々にお花を購入して植えては日陰のためもあって思うように育たず、さっさと引き抜いては、また次の花を植え込むというくりかえしでした。

ある日Kおじさんが、一つ一つの花達に「頑張って咲けよ!綺麗に咲かないと松原さんに引っこ抜かれるぞ!」と声をかけているのを聞いて、Kおばさんと顔を見合わせ大笑いしました。「今年中でいいから、ここに穴を掘って、こっちをレンガで囲んでおいてね。急がないからね」と頼むと、せっかちなKおじさんは、無理してでも、2〜3日中に完成させてしまうのです。

今も、レンガや御影石に囲まれて作業していると、彼の深くて優しい声を思い出します。亡くなられた後、花壇中央奥に真っ白い紫陽花の花を植え込みました。これが、汎花寺のいちばん偉いご住職の紫陽花さまなのです。今年は4年目。6月になったら、少し大きくなって、去年よりたくさんの花を咲かせてくれるかしら?

 

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花便り
(花の栽培、写真:全て筆者)